スナックを開ける場所の調べ方風営法の用途地域と学校・病院からの距離(東京都版)
公開日:2026.10.29

「父の小料理屋を引き継いで、カウンターのあるスナックかバーにしたい」。そう考えていた矢先に今のビルが再開発で取り壊しになり、なじみのお客さんが通えるよう、近くで新しい物件を探すことになった。このコラムは、そんな場面を思い浮かべて書きました。
スナックやバーには、ふつうの飲食店にはない場所の決まりがあり、同じ駅の近くでも開ける物件と開けない物件が分かれます。でも、決まりは条例と地図で公開されていて、契約の前に自分で確かめられます。東京都の決まりを中心に、確かめる順番をまとめました。
この記事のポイント
- 東京都では、接待のあるスナックは住居系の8つの用途地域では開けません。学校・図書館・児童福祉施設・病院・入院できる診療所の敷地から原則100m以内も開けません(商業地域などでは50m・20m・10mに短くなります)。
- 接待をしないバーなら距離の決まりはありませんが、住居系の地域では夜中0時から朝6時まで、お酒を中心に出す営業ができません。
- 再開発で店を出るときは、店を借りているか持っているかで、新しいビルに入る権利や補償の受け方が変わります。申出の期限(公告から30日以内)があるので、早めに事業者に確かめましょう。
この記事は、2026年10月時点の法令や自治体の公開情報をもとに、一般的な内容をまとめたものです。実際の手続きや可否の判断は、物件のある市区町村・保健所・警察署、または行政書士などの専門家に必ずご確認ください。この記事の内容によって生じた損害について、当社は責任を負いかねます。
1. スナックかバーかで、確かめる「場所の決まり」が変わる
場所の決まりは、主に風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)と、都や県の条例にあります。お店のやり方によって、次の3つに分かれます。
- 接待をするスナック:風営法の「風俗営業」(1号営業。警視庁は「料理店、社交飲食店」と呼んでいます)。公安委員会の許可が必要で、開ける場所の決まりがいちばん厳しくなります。
- 接待をせず、夜中0時より後もお酒を中心に出すバー:「深夜における酒類提供飲食店営業」。公安委員会への届出が必要です。ふだんから主食になる食事を出しているお店は、これにあたりません。
- 接待をせず、0時までに閉めるお店:風営法の許可や届出はいりません(保健所の飲食店営業許可は必要です)。
「接待」は、法律で「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」とされています。特定のお客さんの横について話し込む、一緒に歌うといった接客は接待にあたり、カウンター越しにお酒を出してあいさつや世間話をする程度ならあたらないとされています。どこからが接待か、お店をとても暗くしたらどうなるかは、スナックとバーの違いと開業手続きでくわしく説明しています。
もうひとつ大事なのは、お父さんのお店の許可や届出は、今の場所かぎりだということです。風営法の許可も深夜営業の届出も「営業所ごと」と決まっていて、新しい場所では、その時点の決まりであらためて判断されます。
チェック
- お客さんの横について接待をするかどうかを決めた
- 夜中0時より後も営業するかどうかを決めた
- 今のお店の許可・届出は、新しい場所に持っていけないと理解した
2. 物件の「用途地域」を調べる(地図サイトと窓口)
まちには、都市計画(まちづくりのルール)で用途地域(ようとちいき)という区分が決められています。スナックが開けるかどうかの、いちばんの手がかりです。地図に色分けされた13の地域は、3つのグループに分けて読むとわかりやすくなります。
- 住居系(8つ):第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域
- 商業系(2つ):近隣商業地域、商業地域
- 工業系(3つ):準工業地域、工業地域、工業専用地域
東京都では、次の方法で調べられます。
- 東京都都市整備局の「都市計画情報インターネット提供サービス」で、住所から用途地域の参考図を見られます。
- 区によっては独自の地図サイトもあります。たとえば中央区は用途地域の計画図を公開し、新宿区は「新宿区みんなのGIS」で調べられます。
- インターネットの地図は「概略位置を示した参考図」です。中央区も「位置や境界を証明するものではありません」としています。正式な指定図は、区市町の都市計画の担当課か、東京都都市整備局の都市計画課で見られます。
用途地域のほかに、特別用途地区や地区計画(その地区だけのルール)で、さらに細かい決まりがあることもあります。たとえば文京区の「文教地区」では風俗営業に関係する建物を制限し、「第4種中高層階住居専用地区」ではキャバレー、料理店、ナイトクラブなどを建てられないとしています。神奈川・埼玉・千葉でも、市町村の都市計画の担当課や地図サイトで調べられます。
チェック
- 物件の住所で、用途地域を調べた
- 地域の境目の近くなら、窓口で正式な指定図を確かめた
- 特別用途地区・地区計画がかかっていないか確かめた
3. 東京都でスナック・バーを開けない場所(用途地域と学校・病院からの距離)
東京都では、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例」と、その規則で決まっています。ここでの数字は、2026年10月時点の東京都例規集で確かめたものです。
住居系の8つの地域では、接待のあるスナックは開けない
第2章の住居系の8つの地域(田園住居地域を含みます)は、条例で「住居集合地域」とされています。ここでは、接待のあるスナックの許可は受けられません。
学校・病院などの敷地から100m以内も、原則として開けない
次の施設の敷地の周囲100m以内も、原則として開けません。まだ建っていなくても、その施設に使うと決まった土地も含まれます。
- 学校
- 図書館
- 児童福祉施設(保育所、幼保連携型認定こども園、児童館などの児童厚生施設など、児童福祉法で決められた施設)
- 病院
- 入院できる設備がある診療所
東京都の条例では、「診療所」を入院できる設備があるものに限っています。入院の設備がない街のクリニックは、この決まりの対象に入っていません。
近隣商業地域・商業地域では、距離が短くなる
お店の多い2つの地域では、規則で施設ごとに距離が短く決められています。
近隣商業地域の場合
- 学校(大学を除く)・図書館・児童福祉施設:100mのまま
- 大学・病院・8人以上入院できる診療所:50m
- それ以外の、入院できる診療所:20m
商業地域の場合
- 学校(大学を除く)・図書館・児童福祉施設:50m
- 大学・病院・8人以上入院できる診療所:20m
- それ以外の、入院できる診療所:10m
助産施設は、種類によって少し違う扱いがあります。また、公安委員会が「風俗営業の規制に当たり著しい支障がある」と認める区域では、この短い距離は使えません。準工業地域や工業地域などは住居系ではありませんが、100mの決まりはそのままかかります。
告示の区域では、距離の決まりがかからない
風俗営業のお店が集まっていて支障がないと公安委員会が認めた区域は、告示(昭和60年東京都公安委員会告示第33号)で決められています。
- 中央区:銀座四丁目から八丁目まで
- 港区:新橋二丁目から四丁目まで
- 新宿区:歌舞伎町一丁目、歌舞伎町二丁目(9番、10番、19番から46番まで)、新宿三丁目
- 渋谷区:道玄坂一丁目(1番から18番まで)、道玄坂二丁目(1番から10番まで)、桜丘町(15番、16番)
これらの区域のうち近隣商業地域・商業地域の部分では、規則により、学校・病院などからの距離の決まりがかかりません。住居系の地域かどうかの決まりは別なので、実際の扱いは警察署で確かめましょう。
営業時間と、接待のないバーを深夜まで開けるとき
接待のあるスナックは、原則として夜中0時から朝6時までは営業できません。東京都では、商業地域のうち公安委員会が告示した地域と、年末年始(12月10日から1月7日)などは、午前1時まで営業できます。
接待をしないバーなら、学校などからの距離の決まりは、東京都の条例には置かれていません。ただし、住居集合地域では、夜中0時から朝6時までお酒を中心に出す営業はできません。住宅地の物件で0時より後も開けたいなら、ここで引っかかります。
深夜(0時から6時)の音の上限も条例で決まっていて、近隣商業地域・商業地域・工業系の地域は50デシベル、住居系の多くの地域は45デシベル、低層住居専用地域などは40デシベルです。カラオケを置くなら、防音も早めに考えておきましょう。
神奈川・埼玉・千葉では、数字が違う
開けない地域と距離は、県ごとの条例で決まっています。県境の近くで探すときは、物件がある県の決まりで考えましょう。
神奈川県(神奈川県警察の案内)
- 住居専用地域と住居地域(準住居地域を含む)は、原則として開けません。ただし商業地域の周囲30m以内の住居地域は除かれます。
- 学校(大学を除く)から100m、大学・図書館・児童福祉施設・入院できる病院や診療所から70m(お店が商業地域にあるときは30m)です。
- ここでいう「商業地域」に、近隣商業地域は含まれません(県警の解釈基準)。
- 深夜にお酒を中心に出す営業も、住居専用地域と住居地域では原則としてできません(商業地域の周囲30m以内の住居地域は除く)。
埼玉県(県の条例)
- 住居系の8つの地域など(第一種地域)では開けず、深夜にお酒を中心に出す営業もできません。
- 学校(大学を除く)から、商業地域以外は100m、商業地域は70mです。
- 大学・図書館・病院・入院できる診療所・児童福祉施設・特別養護老人ホームから、商業地域以外は70m、商業地域は50mです。
- お店が集まる地域として指定された一部の区域では、さらに短く決められています。
千葉県(県の条例)
- 住居系の地域のうち、公安委員会が市町村ごとに告示した地域(第一種地域)では開けず、深夜にお酒を中心に出す営業もできません。
- 学校(大学を除く)・保育所・幼保連携型認定こども園から100m(商業地域は70m)です。
- 大学・図書館・そのほかの児童福祉施設・病院・入院できる診療所から70m(商業地域は50m)です。
チェック
- 物件が住居系の8つの地域に入っていないか確かめた
- 学校・図書館・児童福祉施設・病院・入院できる診療所が近くにないか確かめた
- 用途地域ごとの距離(東京都なら100m・50m・20m・10m)を当てはめた
- 0時より後も営業するなら、住居系の地域でないことを確かめた
4. 距離の測り方と、2つの物件の比べ方
距離は「敷地」から「水平に」測る
警察庁の解釈運用基準では、距離は水平に測るものとされています。お店がビルの2階以上や地下にあっても、お店の位置から真下の地面に下ろした点で測ります。
- 起点は、学校や病院の建物ではなく敷地です。校庭や駐車場も敷地に入ります。
- 「営業所」には、客席だけでなく、お店専用の調理室、廊下、洗面所、従業員の更衣室なども含まれます。
- 地図アプリで測った距離は、あくまで目安です。境目すれすれの物件は、警察署で確かめましょう。
自分で見当をつけるときは、次の順番で進めると迷いません。
- 都市計画の地図で、物件の用途地域を確かめる
- 地図アプリで、物件のまわり100mの範囲にある学校・図書館・保育所や児童館・病院・診療所を書き出す
- 診療所は、入院の設備があるか、何人入院できるかを確かめる
- 用途地域に合った距離(第3章)に当てはめる
- 当てはまるかどうか微妙なものに印をつけ、警察署で聞く
例:同じ駅の近くの2つの物件
東京都内のある駅の近くに、候補が2つあるとします(説明のための例です。告示の区域には入っていないものとします)。
物件A:駅前の商業地域、ビルの2階
- 小学校の敷地まで、水平距離で60m
- 同じ通りに、入院の設備がない内科クリニック(20m)
物件B:駅から歩いて4分、近隣商業地域の1階
- 同じ小学校の敷地まで、水平距離で90m
- 19人まで入院できる診療所の敷地まで40m
まず、接待のあるスナックとして判定します。
- 物件A:住居系ではありません。商業地域の小学校は50mなので、60mなら決まりにかかりません。入院設備のないクリニックは対象外です。建築基準法でも、商業地域は「キャバレー、料理店」などを建てられる地域です。
- 物件B:近隣商業地域の小学校は100mのままなので、90mでは開けません。8人以上入院できる診療所も50mなので、40mでは開けません。
次に、接待をせず、深夜2時まで開けるバーとして判定します。
- 物件A:住居系の地域ではないので、届出をすれば0時より後も営業できます。
- 物件B:近隣商業地域も住居系ではないので、0時より後も営業できます。東京都の条例では、学校などからの距離の決まりもかかりません。
つまり、接待のあるスナックにするなら物件A、接待なしのバーならA・Bどちらも候補になります。もし通りの反対側にある第一種住居地域の物件なら、スナックは開けず、バーも0時までの営業になります。「どんな接客をしたいか」を先に決めておくと、物件選びがぐっと楽になります。
警察署への事前相談
許可の申請では、お店の平面図と「営業所の周囲の略図」を出します。だからこそ、契約の前に、物件の地域を受け持つ警察署に相談するのが近道です。住所、ビル名と階、間取り図、接待をするか、何時まで営業するかを持っていくと、話が早く進みます。
東京都では、警視庁の保安課風俗営業係も問い合わせ先として案内されています。相談では、次のことを聞いておくと安心です。
- この住所は、風俗営業を置けない地域に入っていないか
- まわりに、距離の決まりにかかる施設や予定地がないか
- 深夜にお酒を中心に出す営業ができる地域か
- 周囲の略図は、どの範囲まで描けばよいか
「前もスナックだった店(居抜き)だから大丈夫」とは限りません。前の店は、許可の後にまわりが制限地域になったのかもしれません(警察庁の基準では、その場合は必要に応じて条件を付けるとしています)が、新しく申請する人はその時点の決まりで判断されます。ビルの中や住宅街の小さな保育所は地図で気づきにくいので、歩いて確かめましょう。
チェック
- 学校などの「敷地」から、お店までの水平距離の見当をつけた
- 候補の物件ごとに、スナックとバーの両方で判定した
- 住所・間取り図・営業のやり方を持って、警察署に事前相談した
5. 建物の用途・消防と、大家さんとの約束
建築基準法の用途地域の制限
風営法とは別に、建築基準法でも、用途地域ごとに建てられる建物が決まっています。法律の表では、「キャバレー、料理店その他これらに類するもの」は商業地域と準工業地域でしか建てられません(近隣商業地域や住居系の地域では建てられません)。接待のあるスナックがこれにあたるかどうかは、区市の建築の窓口で確かめておくと安心です。
接待のないバーやふつうの飲食店なら、住居系の地域でも、広さや階の条件つきで認められることがあります。くわしくは古民家カフェを開業するにはで説明しています。
- 建物の使い方を変えて、飲食店などに使う部分が200㎡を超えるときは、確認申請(法律に合っているか事前に審査を受ける手続き)が必要です。
- 200㎡以下で確認申請がいらない場合でも、用途地域の決まりは守る必要があります。
飲食店営業の許可(保健所)も、新しいお店で取り直しになります。内装工事の前に、図面を持って保健所に相談しておくと、工事のやり直しを防げます。
消防の届出
東京都では、火災予防条例により、お店を使い始める日の7日前までに「防火対象物使用開始届出書」を消防署に出します。内装工事をするときは、工事を始める7日前までに「防火対象物工事等計画届出書」も原則として必要です。
消防法では、「飲食店」と「キャバレー、カフェー、ナイトクラブその他これらに類するもの」が別の区分です。後者は広さにかかわらず消火器が必要で、飲食店も、火を使う設備や器具があれば広さにかかわらず必要です。区分と設備は図面を持って消防署の予防課に相談し、神奈川・埼玉・千葉では市町村の消防本部に相談しましょう。
大家さんに確かめること
- 許可の申請には、お店の場所を使う権利を示す書類(使用承諾書や賃貸借契約書など)が必要です。接待のあるスナックとして使うことを、大家さんが認めてくれるかを最初に聞きましょう。
- 契約書の「使用目的」に、スナック・バーとして使うこと、深夜まで営業するならそのことも、はっきり書いてもらいます。
- 営業時間、看板、カラオケの音、内装工事の範囲、退去するときの原状回復も、先に話しておくと安心です。
- ビル全体の決まりで、入れる業種を制限していることがあります。管理会社にも確かめましょう。
チェック
- 区市の建築の窓口で、用途地域と建物の用途を確かめた
- 消防署に、必要な設備と届出の時期を確かめた
- 大家さんから、スナック・バーとして使う了解と書類をもらえることを確かめた
6. 再開発で立ち退くことになったとき(権利と補償)
「再開発」には、都市再開発法による「市街地再開発事業」と、ビルの持ち主が自分で建て替える場合などがあり、しくみが違います。まず、届いた通知や説明会の資料で、事業の名前と、施行者(事業を進める組合や会社など)がだれかを確かめましょう。
市街地再開発事業(第一種)の場合
国土交通省の説明では、第一種市街地再開発事業は「権利変換」という方式で、もとの土地や建物の権利を、原則として等価で新しいビルの床の権利に置き換えます。第二種は、施行者がいったん土地や建物を買い取る方式です。ここでは第一種の場合を説明します。
お父さんが店を借りている場合
- 借家権(建物を借りる権利)がある人には、新しいビルの一部を借りる権利が与えられるのが原則です(都市再開発法第77条第5項、第88条第5項)。
- 新しいビルに入りたくない場合は、事業計画の認可などの公告から30日以内に、「借家権の取得を希望しない旨の申出」を書面で出せます(第71条第3項)。その場合は補償金が支払われます(第91条)。
- 新しいビルでの家賃などの条件は、新しい床の持ち主と話し合って決めます。まとまらないときは、施行者が裁定する手続きがあります(第102条)。
お父さんが店(土地や建物)を持っている場合
- 土地や建物を持つ人には、新しいビルの床(権利床)が与えられるのが原則です(第77条第1項)。
- 床の代わりにお金で受け取りたい場合は、同じく公告から30日以内に申し出ます(第71条第1項)。
- 組合が施行する事業では、土地の所有者や借地権者が組合員になります(東京都の資料)。
どちらの場合も、権利変換計画は2週間公開(縦覧)され、権利を持つ人は意見書を出せます(第83条)。建物を明け渡すときは、移転などで「通常受ける損失」の補償があります(第97条)。たとえば東京都が施行する事業では、店頭商品などの動産移転、仮住居、借家人、営業(休業中の収益減など)、移転雑費(移転先を選ぶ費用など)が補償項目として示されています。
新しいビルに戻るか、近くへ移るか
新しいビルに戻る場合も、そこでスナックを開けるかは、この記事の第2章から第5章と同じように確かめます。風営法には、許可を受けて営んでいた店が権利変換のために取り壊された場合、廃止から5年以内に、ほぼ同じ場所・ほぼ同じ広さで申請すれば、制限地域でも許可できるという特例があります(第4条第3項)。ただし対象は、その許可で営んでいた本人なので、小料理屋として飲食店営業許可だけで営んでいた場合は使えません。
再開発事業ではなく、ビルの持ち主が自分で建て替える場合は、借地借家法により、大家さんからの解約の申入れには「正当の事由」が必要です。その判断では、立ち退きと引き換えのお金などの申出も考慮されます(第28条)。条件に納得できないときは、弁護士に相談しましょう。
チェック
- 通知で、事業の種類(第一種・第二種など)と施行者を確かめた
- お父さんのお店が「借りている」のか「持っている」のかを、契約書や登記で確かめた
- 申出の期限(公告から30日以内)と、新しいビルの完成時期を施行者に聞いた
7. 確かめる順番と、相談先
おすすめの順番は、次のとおりです。
- ① 再開発の通知で、事業の種類・施行者・申出の期限を確かめる
- ② 接待をするか、0時より後も営業するか、お店のやり方を決める
- ③ 候補の物件ごとに、用途地域・特別用途地区・地区計画を調べる
- ④ まわりの学校・図書館・児童福祉施設・病院・入院できる診療所を、予定地も含めて歩いて確かめる
- ⑤ 住所と間取り図を持って、警察署に事前相談する
- ⑥ 区市の建築の窓口と消防署に、建物の用途と設備を相談する
- ⑦ 大家さんから使い方の了解と申請用の書類をもらってから契約し、保健所・警察・消防の手続きに進む
場所の決まりは、地図と条例で一つずつ確かめれば、必ず答えが出ます。再開発をきっかけに、お父さんのお店の味となじみのお客さんを、新しい場所へつないでいきましょう。
主な相談先
- 風営法の許可・届出と、開ける場所:物件の地域を受け持つ警察署(生活安全課など)。東京都は警視庁の保安課風俗営業係も問い合わせ先
- 用途地域・特別用途地区・地区計画:区市町村の都市計画の担当課、東京都都市整備局の都市計画課
- 建物の用途・確認申請:区市の建築の担当課、建築士
- 消防:物件を受け持つ消防署の予防課(東京都は東京消防庁)
- 飲食店営業許可:物件の地域の保健所
- 再開発の権利・補償:施行者(組合など)の窓口。立ち退きの条件の相談は弁護士
- 申請書類の作成:行政書士
許可や手続き、支援の制度は、同じ内容でも自治体によって判断や条件が違うことがあります。物件や計画が決まったら、その市区町村の担当課(建築指導課・都市計画課・保健所・消防署・警察署、移住や創業の支援の窓口など)に、住所や図面を持って直接確かめましょう。
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※この記事は、2026年10月時点の法令や自治体の公開情報をもとに、一般的な内容をまとめたものです。実際の手続きや可否の判断は、物件のある市区町村・保健所・警察署、または行政書士などの専門家に必ずご確認ください。この記事の内容によって生じた損害について、当社は責任を負いかねます。
出典・参考(30件)
お店の種類(1章)
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第2条(風俗営業1号、接待の定義、酒類提供飲食店営業の定義)、第3条(営業所ごとの許可)、第33条(深夜の酒類提供飲食店営業の届出・条例による禁止地域)/e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000122
- 警視庁 風俗営業等業種一覧(1号営業「料理店、社交飲食店」、深夜における酒類提供飲食店営業)https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/fuzoku/gyoshu_ichiran.html
用途地域の調べ方(2章)
- 東京都都市整備局 用途地域等に関する指定方針及び指定基準について(指定図の閲覧先、インターネット提供サービスは概略位置の参考図)https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/basic/keikaku/area_ree/
- 東京都 都市計画情報インターネット提供サービス https://www2.wagmap.jp/tokyo_tokeizu
- 中央区 用途地域(東京都決定)計画図(位置や境界を証明するものではない旨)https://www.city.chuo.lg.jp/a0040/machizukuri/toshikeikaku/jouhou/youtotiiki.html
- 新宿区 都市計画図(用途地域等、都市施設等)の閲覧(新宿区みんなのGIS)https://www.city.shinjuku.lg.jp/kusei/file13_08_00001.html
- 文京区 都市計画関係についての質問と回答(文教地区、第4種中高層階住居専用地区)https://www.city.bunkyo.lg.jp/b030/p004671.html
東京都の制限地域と営業時間(3章)
- 東京都 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(令和2年条例第48号まで反映)第1条(用途地域、病院・診療所の定義)、第3条(住居集合地域、保護対象施設の周囲100m)、第4条の2・第5条(営業時間)、第6条(騒音の数値)、第15条(住居集合地域での深夜酒類提供の禁止)/東京都例規集 https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00002214.html
- 東京都 同条例の施行に関する規則(平成29年公安委員会規則第4号まで反映)第2条(近隣商業地域・商業地域での距離、告示区域)、第3条〜第6条(年末年始・営業延長許容地域・午前1時)/東京都例規集 https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00002215.html
- 昭和60年東京都公安委員会告示第33号(規則第2条第2項の区域)/東京都例規集 https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00002216.html
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第4条第2項第2号、第13条(深夜の営業時間制限)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000122
- 児童福祉法 第7条(児童福祉施設の種類)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164
- 医療法 第1条の5(病院・診療所の定義)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205
神奈川・埼玉・千葉(3章)
- 神奈川県警察 風俗営業等の規制概要と営業申請(届出)手続(制限地域、保全対象施設と距離、深夜酒類提供の地域制限)https://www.police.pref.kanagawa.jp/tetsuzuki/eigyokankei/fuzoku/mesd0017.html
- 神奈川県警察 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例等の解釈基準について(「商業地域」に近隣商業地域を含まない、学校・診療所の範囲)https://www.police.pref.kanagawa.jp/assets/entry/notice/txt/d00031.txt
- 埼玉県 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(昭和59年埼玉県条例第47号)第2条・第12条・別表/埼玉県法規集データベース https://ops-jg.d1-law.com/opensearch/SrMjF01/init?jctcd=8A7FF90CEA
- 千葉県 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(昭和59年千葉県条例第31号)第2条・第5条・第17条、同条例に基づく第一種地域及び第二種地域(昭和60年公安委員会告示第1号)/千葉県法規集 https://ops-jg.d1-law.com/opensearch/SrMjF01/init?jctcd=8A8006EF9A
距離の測り方・事前相談(4章)
- 警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」(令和8年7月1日。営業所の意義、距離は水平距離で測る、許可後に制限地域内となった場合の条件)https://www.npa.go.jp/laws/notification/seian/hoan/hoantsutatu2/R080701kaisiyaku.pdf
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令 第6条(保全対象施設の敷地の周囲おおむね100m)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/359CO0000000319
- 警視庁 風俗営業、特定遊興飲食店営業許可申請(平面図・営業所の周囲の略図、使用権原の書類、問い合わせ先:保安課風俗営業係)https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/fuzoku/kyoka_shinsei.html
建物・消防(5章)
- 建築基準法 別表第二(り)項・(を)項ほか(キャバレー、料理店その他これらに類するもの)、第6条第1項第1号(200㎡超の確認)、第87条(用途変更)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201
- 東京消防庁 新たにテナントを使用する皆様へ(使用開始・工事の7日前までの届出)https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/tenants.html
- 消防法施行令 第10条(消火器具の設置)、別表第一((2)項 キャバレー・カフェー・ナイトクラブ等、(3)項 飲食店)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/336CO0000000037
再開発で立ち退くとき(6章)
- 都市再開発法 第71条(権利変換を希望しない旨の申出等)、第77条(施設建築物の一部等)、第83条(権利変換計画の縦覧・意見書)、第88条第5項(借家権の取得)、第91条(補償金)、第97条(土地の明渡しに伴う損失補償)、第102条(借家条件の協議及び裁定)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/344AC0000000038
- 国土交通省 市街地再開発事業(第一種=権利変換方式、第二種=管理処分方式)https://www.mlit.go.jp/toshi/city/sigaiti/toshi_urbanmainte_tk_000060.html
- 東京都都市整備局 市街地再開発事業の概要(民間施行)(権利変換、組合の組合員)https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/pdf/sai-kai_gaiyou.pdf
- 東京都第二市街地整備事務所 補償項目の説明(東京都施行事業の補償項目)https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/dainiseibi/jigyoutetuduki/tetuduki/hosyo/hosyo_s_02
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第4条第3項(営業所が滅失した場合の許可の特例)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000122
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令 第7条第6号(権利変換のための除却)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/359CO0000000319
- 借地借家法 第28条(建物賃貸借の更新拒絶等の要件)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090
