空き家購入の流れと費用空き家バンク・仲介手数料・不動産取得税の目安
公開日:2026.10.30

「週末だけ通える古民家がほしい」「海の近くの空き家を、仕事場にもできる家にしたい」。東京に住んだまま、千葉や神奈川、埼玉の空き家を買って、暮らしの場所をもう1つ持つという選び方があります。古い家は手ごろな値段で出ていることもあり、最初の一歩にしやすい選択肢です。
ただ、空き家・古民家には、新しい家とは少しちがう確かめどころがあります。前の道が細くて建て替えができない、水道ではなく井戸だった、家財が残ったまま、といったことです。どれも先に知っていれば準備できることなので、この記事では「探す・申し込む・契約する・引渡しを受ける・買った後」の順に、買い手の立場でまとめました。
この記事のポイント
- 空き家バンクは、区市町村が空き家の情報を紹介するしくみです。多くは、交渉と契約を宅地建物取引業者(不動産会社)が仲介します。買い手の仲介手数料がかからない空き家バンクもあるので、最初に確かめましょう。
- 契約の前に、宅地建物取引士から「重要事項説明」を受けます。建て替えができるか(前の道)、水まわり、境界、災害のおそれは、ここで質問しておけば安心です。
- 値段のほかに、仲介手数料、登記の税金、印紙税、不動産取得税がかかります。800万円以下の家は、仲介手数料の上限を最大33万円とする特例があります。2026年4月からは、不動産取得税がかからない額の線(免税点)が上がりました。
この記事は、2026年10月時点の法令や自治体の公開情報をもとに、一般的な内容をまとめたものです。実際の手続きや可否の判断は、物件のある市区町村・保健所・警察署、または行政書士などの専門家に必ずご確認ください。この記事の内容によって生じた損害について、当社は責任を負いかねます。
1. 空き家・古民家の探し方:空き家バンクと不動産会社
空き家を探す道は、区市町村の空き家バンクと、不動産会社の物件情報の2つです。空き家バンクは、使われていない家を住みたい人・使いたい人に紹介するしくみで、国土交通省が支援した「全国版空き家・空き地バンク」(2018年4月本格運用)では、参加する自治体の物件をまとめて探せます。気になる地域が決まったら、その区市町村のページも見てみましょう。
空き家バンクの使い方は、区市町村ごとに違います。一都三県の例です(2026年10月時点)。
- 千葉県君津市:見学には市への「利用登録」が必要です。交渉を申し込むと、物件を担当する宅地建物取引業者が交渉から契約までを行い、市は直接かかわりません。
- 千葉県富津市:利用登録をしてから「交渉申込書」を出します。2件以上の交渉を同時に申し込むことはできず、転売や賃貸を目的とする人は登録できません。2026年度からは、建物を建てられる空き地も登録の対象になりました。
- 埼玉県飯能市:利用登録(無料)には、「空き家に定住し、又は定期的に滞在する意思」があることが条件です。市の空き家バンクを使って買う・借りる人は、宅地建物取引業者に払う仲介手数料がかからないと、市は案内しています。
- 神奈川県三浦市:市は交渉にかかわらず、契約のトラブルは当事者と仲介業者の間で解決するよう案内しています。2026年8月6日更新の一覧では、登録物件は「なし」でした。
このように、物件の数や、仲介手数料の扱いは地域でかなり違います。神奈川県は、県内の市町村の空き家バンクや移住の支援を一覧にしています。埼玉の里山や東京の多摩・奥多摩の空き家バンクは、埼玉の里山で暮らす・始めると多摩・奥多摩で暮らす・始めるでくわしく紹介しています。
不動産会社に探してもらうときは、お店や宿など使い道も最初に伝えると、合わない物件を早めに外してもらえます。
チェック
- 住みたい(使いたい)区市町村の、空き家バンクのページを見た
- 利用登録の条件(定住か、定期的な滞在でもよいか)を確かめた
- 交渉・契約に入る宅地建物取引業者と、仲介手数料がかかるかを確かめた
2. 空き家購入の流れ:申込みから契約・引渡しまで
空き家を買うときの流れは、おおむね次のとおりです。
- 見学する(できれば、晴れの日と雨の日、朝と夕方など、何度か)
- 必要なら、売主の承諾をとって、建物の状態を専門家に調べてもらう
- 購入を申し込み、値段・引渡しの時期・残っている家財の扱いを話し合う
- 宅地建物取引士から、重要事項説明を受ける(3章)
- 売買契約を結び、手付金を払う。ローンを使うなら、審査の結果を待つ
- 残りの代金を払って鍵を受け取り、所有権を自分の名前にする登記を申請する
- 都県の不動産取得税と、浄化槽などの手続きをする(4章・5章)
建物の状態を調べる(建物状況調査)
建物状況調査(インスペクション)は、国の講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が、基礎・柱・屋根・外壁など、建物の骨組みや雨もりに関わる部分を見る調査です。必ず受けるものではありませんが、国土交通省は、調査をしないと買った後に思わぬ修理代がかかるおそれがある、と説明しています。調査は1〜3時間ほどで、費用は調査する人によって違い、依頼した人が払うのが一般的とされています。
買いたい側から頼むときは、先に売主の承諾が必要なので、宅地建物取引業者に伝えましょう。不具合がないことの保証ではありませんが、結果は値段の相談や修理の計画に使えます。
申込みのときのお金
申込みのときに、宅地建物取引業者から「申込金」「預り金」などのお金を求められることがあります。宅地建物取引業者は、申込みを取りやめた人に、受け取った預り金を返すことを拒んではいけない決まりです(宅地建物取引業法施行規則16条の11第2号)。何のためのお金か、取りやめたら返ってくるかを、受け取りの書類で確かめておきましょう。
売買契約と手付金
契約のときには、手付金を払うことが多いです。民法では、相手が契約の実行に取りかかるまでは、買主は手付金をあきらめて、売主は手付金の倍の額を払って、契約をやめることができます(民法557条)。売主が宅地建物取引業者で、買主が業者でない場合は、手付金は代金の2割までと決まっています(宅地建物取引業法39条)。
ローンが借りられなかったときの約束(ローン特約)
ローンを使うなら、「借りられなかったら契約をなかったことにできる」という約束(ローン特約)を契約書に入れられるか、宅地建物取引業者に相談しましょう。業者がローンのあっせんをする場合は、その内容と、借りられなかったときの扱いを、重要事項説明で説明することになっています(宅地建物取引業法35条1項12号)。特約を入れるなら、いつまでに審査の結果が出ればよいか、期限の日付まで確かめます。
引渡し後に不具合が見つかったら(契約不適合責任)
買った家が、契約で約束した内容に合っていなかったとき、買主は売主に、直してもらう・代金を下げてもらうなどを求められます(民法562条・563条)。種類や品質が合わない場合は、そのことを知ってから1年以内に売主へ知らせる必要があります(民法566条)。
古い空き家では、「売主はこの責任を負わない」という特約(免責)をつけた契約もありますが、売主が知っていて告げなかったことの責任はなくなりません(民法572条)。売主が宅地建物取引業者なら、引渡しから2年以上の期間を定める場合を除き、買主に不利な約束はできません(宅地建物取引業法40条)。
家財・残置物(ざんちぶつ:前の住人が残した物)
家具や農機具などが残っていることがあります。飯能市の空き家バンクは、家財の処分は原則として所有者が行い、買い手がそのまま使う物は双方で話し合って決めることもできる、と案内しています。何を残し、何を片付けてもらうのかを、契約書に書いておきましょう。
チェック
- 建物状況調査をするか決め、するなら売主の承諾をとった
- 申込みのときに払うお金の意味と、取りやめたときの扱いを確かめた
- 手付金の額と、手付で契約をやめられる時期を確かめた
- ローン特約を入れるか、入れるなら期限を確かめた
- 契約不適合責任の範囲(免責かどうか、期間)と、残置物の扱いを確かめた
3. 重要事項説明で見るところ(再建築不可・接道・インフラ・境界)
重要事項説明は、契約の前に、宅地建物取引士が物件の大切なことを書面で説明するものです(宅地建物取引業法35条)。宅地建物取引業者が間に入る取引で行われるので、当事者どうしだけの売り買いでは、この説明はありません。
持ち主の名前(登記)
登記の持ち主が今の売主と同じかを確かめます。持ち主が亡くなったままなら、相続した人がまず相続の登記をします(2024年4月1日から義務で、知った日から3年以内、それより前の相続は原則2027年3月31日まで)。売主側の登記がいつ済むかを、契約の前に確かめましょう。
前の道と、建て替えができるか(接道・再建築不可)
建物の敷地は、原則として、幅4m以上の道路に2m以上接していなければなりません(建築基準法42条・43条)。この条件を満たさない家は、建て替えや大きな増築ができないことがあり、「再建築不可」と呼ばれます。
- 昔から家が建ち並ぶ幅4m未満の道でも、役所が指定した道は道路とみなされます(いわゆる「2項道路」)。建て替えるときは、道の中心から2mの線まで敷地を下げる必要があります(セットバック)。
- 条件を満たさなくても、役所の認定や許可を受けて建てられる場合があります(建築基準法43条2項)。
- この道路の決まりは、都市計画区域と準都市計画区域の中で適用されます(建築基準法41条の2)。物件がどの区域にあるかも聞いておきましょう。
- 私道に面している場合は、私道の負担(持ち分や通行の約束など)も説明の対象です。
水まわり・電気・ガス(インフラ)
重要事項説明では、飲み水、電気、ガス、排水の設備が整っているか、整っていないなら今後の見通しや特別な負担があるかが説明されます(宅地建物取引業法35条1項4号)。古い家では、井戸水、プロパンガス、下水道ではなく浄化槽、ということがよくあります。
浄化槽は、持ち主など管理する人(浄化槽管理者)が、保守点検・清掃・水質検査を受けることになっています(浄化槽法10条・11条)。点検の回数は方式と大きさで決まっていて、たとえば家庭用の小さな浄化槽(20人以下)の嫌気ろ床接触ばっ気方式などは4か月に1回以上です(浄化槽法施行規則6条)。清掃は年1回(全ばっ気方式はおおむね6か月に1回)、水質検査は年1回なので、買った後の手間とお金として見ておきましょう。
建物の書類・耐震・石綿
建物状況調査の結果(木造の戸建ては調査から1年以内のもの)、設計図などの書類の有無、1981年(昭和56年)6月1日より前に工事を始めた建物の耐震診断、石綿(アスベスト)の調査の記録も説明の対象です。
災害のおそれ
土砂災害警戒区域、津波災害警戒区域、造成宅地防災区域に入っているかどうかが説明されます。2020年8月28日からは、区市町村の水害ハザードマップの上で、物件がどこにあるかを示すことも義務になりました。海や川の近くの家では、避難所の場所もあわせて確かめておきましょう。
境界と、登記されていない建物
- 土地の境目は、法務局で公図や地積測量図をとり、現地の境界の目印(杭など)と見比べます。手数料は、地図・図面の証明書が書面で500円、登記事項証明書が書面で1通600円です(オンラインで請求して郵送で受け取るなら470円・520円)。
- 境目がはっきりしないときは、法務局がもともとの境目(筆界)を明らかにする「筆界特定制度」もあります。引渡しまでに売主が境界をはっきりさせるかを、契約で決めておくと安心です。
- 古民家では、離れや納屋が登記されていないことがあります。表題登記(建物の最初の記録)がない建物を手に入れた人は、1か月以内に表題登記を申請しなければなりません(不動産登記法47条)。登記されていない建物があるか、売主に聞いておきましょう。
使い道と農地のこと
お店・宿・工房に使いたいなら、用途地域や市街化調整区域の確かめ方を古民家カフェを開業するにはにまとめています。敷地に田や畑が含まれていたら、農地の決まりは畑付きの家を買うときの注意点を読んでみてください。
チェック
- 登記の持ち主と売主が同じか、違うなら相続の登記がいつ済むかを確かめた
- 前の道の幅と、敷地が道に接する長さ、セットバックの有無を確かめた
- 水道・井戸、下水道・浄化槽(方式と点検の契約)、ガスの種類を確かめた
- ハザードマップで、物件の位置と避難所を確かめた
- 境界の目印と、登記されていない建物の有無を確かめた
4. 空き家購入の費用:仲介手数料・登記・税金の目安
数字は2026年10月時点で、国税庁・国土交通省・都県の公式ページで確かめたものです。
仲介手数料
宅地建物取引業者が売買の仲介で受け取れる報酬には、国の告示で上限があります。依頼した人一人あたり、代金のうち200万円以下の部分は5.5%、200万円を超え400万円以下の部分は4.4%、400万円を超える部分は3.3%を合計した額までです(消費税を含んだ割合)。
代金が800万円以下の家や土地(告示では「低廉な空家等」)には、2024年7月1日から特例があります。仲介に必要な費用を考えて、上の計算より多く受け取ることができ、上限は30万円の1.1倍(33万円)です。以前は売主から受け取る報酬だけの特例でしたが、この改正で売主に限る決まりがなくなり、買主から受け取る報酬も対象になりました。
特例で多く受け取るには、仲介を頼む契約(媒介契約)を結ぶときに、報酬の額を説明して合意しておく必要があります。頼む前に「手数料はいくらですか」と聞いておけば安心です。
登記の税金(登録免許税)と印紙税
買った土地・建物を自分の名前にする「所有権の移転の登記」には、登録免許税がかかります。基になる額は、原則として固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税の評価額)です。
- 土地:本来は2%ですが、2029年3月31日までの登記は1.5%です。
- 建物:2%です。自分が住む家で床面積50㎡以上などの条件を満たせば、2027年3月31日までは0.3%に下がります。中古の家は、1982年(昭和57年)1月1日以降に建てられたか、耐震の基準に合うことも条件です。軽くするには、区市町村の証明書(住宅用家屋証明書)を登記の申請に付けます。
- 住宅ローンを借りるときの抵当権の登記にもかかります(自分が住む家の条件を満たせば0.1%)。
売買契約書には、収入印紙を貼ります(印紙税)。2027年3月31日までに作る契約書は軽くなっていて、契約金額が100万円を超え500万円以下なら1,000円、500万円を超え1,000万円以下なら5,000円、1,000万円を超え5,000万円以下なら1万円です。
不動産取得税(都県の税金)
土地や家を買うと、登記をしたかどうかにかかわらず、物件のある都県から不動産取得税がかかります。基になるのは、買った値段ではなく、固定資産税の評価額です。
- 税率は、土地と住宅が3%、住宅以外の建物(お店だけの建物など)が4%です(3%は2027年3月31日までの取得)。
- 宅地などの土地は、2027年3月31日までの取得なら、基になる額が半分になります。
- 基になる額が、土地16万円未満、売買で買った建物1戸34万円未満なら、かかりません(2026年4月1日以降の取得。それより前は土地10万円・建物12万円)。宅地を半分にした後の額や、軽減で差し引いた後の額で判断します。
- 自分が住む中古住宅は、条件を満たせば、建てた時期に応じた額(1997年4月1日以降の新築なら1,200万円など)を価格から差し引けます。
- その条件は、床面積40㎡以上240㎡以下(2026年4月1日以降の取得。それより前は50㎡以上)で、1982年1月1日以降の新築か、耐震の基準に合う証明があることなどです。国の政令で決まっているので一都三県とも同じで、埼玉県は同じ敷地の物置などの床面積も合わせて数えると案内しています。
取得したときの申告の期限は、都県で違います。軽減を受けたいときは、書類をそろえて別に申告します。
- 東京都:取得から30日以内(30日以内に登記を申請すれば、原則として申告は不要)
- 神奈川県:取得から10日以内(登記を申請した場合は不要)
- 埼玉県:取得から30日以内
- 千葉県:取得から60日以内(60日以内に登記を申請すれば、申告しなくてもよい)
固定資産税
固定資産税は、毎年1月1日の持ち主にかかります(地方税法359条)。年の途中で買ったとき、その年の分を売主と買主で分けるかどうか、どう分けるかは、法律ではなく契約で決めることです。
たとえば、54歳で東京に住んだまま、週末用の古民家を500万円で買う場合
場所は千葉県の内房とします。仮に、建物は1970年ごろの木造で耐震の証明はなく、固定資産税の評価額は土地(宅地)200万円・建物30万円とします。
- 仲介手数料:ふつうの計算なら上限は23万1,000円です。特例を使うことに合意した場合の上限は33万円です。飯能市のように、買い手の仲介手数料がかからない空き家バンクもあります。
- 登録免許税:土地200万円×1.5%=3万円、建物30万円×2%=6,000円で、合わせて3万6,000円です。建てた年と耐震の条件に合わないので、0.3%は使えない前提です。
- 印紙税:契約書1通につき1,000円です。
- 不動産取得税:土地は200万円の半分の100万円×3%=3万円です。建物は30万円で、免税点の34万円未満なので、かかりません(2026年3月までの取得なら12万円以上なので、9,000円かかっていました)。
- 合計:仲介手数料(0円〜33万円)に、税金の約6万7,000円を足した額が目安です。これに、司法書士の報酬、固定資産税の分け方による精算、建物状況調査をするならその費用、片付けや引越しの費用が加わります。
この建物は中古住宅の軽減の条件に合わないので、土地の軽減もない前提です。週末だけ使う家が「自分が住む家」に当たるかは、県税事務所へ確かめましょう。登記を60日以内に申請すれば千葉県への取得の申告は不要で、後日届く納税通知書で納めます。
実際の評価額は、売主の手元にある固定資産税の通知書(課税明細書)などで確かめられます。宅地建物取引業者に、諸費用の見積もりを早めに出してもらいましょう。
チェック
- 仲介手数料の額(特例を使うか、空き家バンクの扱い)を、仲介を頼む前に確かめた
- 土地・建物の固定資産税の評価額を確かめ、税金の目安を出した
- 不動産取得税の軽減の条件(自分が住むか、建てた年、床面積)と、申告の期限を確かめた
- 固定資産税を売主と分けるかどうかを決めた
5. 空き家購入の支払い方(ローン・分割払い・補助金)と、買った後の手続き
支払い方と、買った後に気をつけたいところをまとめます。
週末用の家(セカンドハウス)でローンを使うなら
住宅金融支援機構の「フラット35」は、週末などに自分で住むために買う家(セカンドハウス)にも使えます。ただし、住宅ローン控除(所得税が軽くなるしくみ)は使えず、取り扱わない金融機関もあります。一戸建てなら床面積50㎡以上で、機構の技術基準に合うことなども条件です(2026年4月1日現在)。
お店や仕事場にもしたいなら
たとえば36歳のデザイナーが、海の近くの家を住まい兼仕事場・小さなお店にする場合です。フラット35は、住まいの部分の床面積がお店などの部分以上なら使えますが、お店の部分の費用は借りられません。借りた後に、お店・事務所など目的と違う使い方がわかると、全額をまとめて返すよう求められることがあります。
事業のためのお金は、住宅ローンとは分けて考えましょう。集め方は開業資金と事業計画書でまとめています。
売主に分けて払う約束をするなら
個人の売主と分けて払う約束をするなら、いつ持ち主が自分に変わるのか(登記の時期)、払えなくなったらどうなるのかを、必ず契約書に書いておきましょう。
補助金を使いたいなら
空き家を買った人向けのリフォーム補助などを、区市町村が出していることがあります。条件は地域で違うので、契約や工事の前に確かめましょう。
- 富津市:空家バンクの物件を買った・借りた人に、リフォーム費用の2分の1以内(上限50万円)を補助します。原則、工事を始める前の申請が必要です。
- 三浦市:住宅リフォームの助成は、市内に住民登録をして自分で住んでいる人が対象で、交付が決まる前に工事を始めると対象外です(2026年度は一律8万円)。
東京に住民票を置いたまま通う場合、住民登録が条件の補助は使えないことがあるので、申し込む時期とあわせて聞いておきましょう。
浄化槽の家を買ったら
浄化槽の管理者が変わったら、新しい管理者が30日以内に報告書を出します(浄化槽法10条の2第3項)。出し先は都県で、保健所のある市や特別区では市・区です。点検や清掃の契約も、引渡しにあわせて引き継ぐか結び直しましょう。
買った後、しばらく使わないなら
2023年12月13日施行の改正空家法で、放っておかれた空き家は、区市町村が「管理不全空家等」として指導・勧告できるようになり、勧告を受けると敷地の固定資産税を軽くする特例(住宅用地特例)が外れます。風を通す、草を刈るなどの予定を立てておけば大丈夫です。季節ごとの手入れは古民家の手入れ年間カレンダーが参考になります。
チェック
- ローンを使うなら、セカンドハウスやお店兼用で使えるか、金融機関に確かめた
- 事業の資金は、住宅ローンと分けて計画した
- 補助金の条件(住民登録、申し込む時期)を、契約や工事の前に確かめた
- 浄化槽の報告と、点検・清掃の契約の段取りを決めた
- 買った後の手入れの予定(誰が、どのくらいの間隔で)を決めた
6. 確かめる順番と、相談先
空き家を買うのは、決まりを順番に確かめていけば、こわいことではありません。古い家ならではの手間も、先に知っておけば値段の相談や暮らしの工夫に生かせます。
- ① 使い道(住む・週末用・お店や仕事場)と、使えるお金の上限を決める
- ② 空き家バンクに利用登録し(仲介手数料の扱いも確認)、不動産会社にも希望を伝える
- ③ 見学し、道路・水まわり・境界・ハザードマップをざっと確かめる。必要なら、売主の承諾をとって建物状況調査を頼む
- ④ 仲介手数料と諸費用の見積もりをもらい、税金の目安を出す
- ⑤ 購入を申し込み、値段・引渡し時期・残置物の扱いを話し合う
- ⑥ 重要事項説明を受け、わからないところはその場で質問してから、契約を結ぶ
- ⑦ 引渡しと登記をすませ、不動産取得税の申告・軽減の手続き、浄化槽の報告まで進める
主な相談先
- 空き家バンク:物件のある区市町村の担当課(たとえば君津市は建築課、富津市は政策推進課、飯能市は建築課、三浦市は都市計画課)
- 物件の調査・契約:宅地建物取引業者、宅地建物取引士
- 建物の状態:既存住宅状況調査技術者(建築士)
- 登記・境界:物件のある地域の法務局、司法書士、土地家屋調査士
- 不動産取得税:物件のある都県の都税事務所・県税事務所
- 道路・用途・農地・浄化槽:区市町村の建築・都市計画の担当課、農業委員会、保健所・浄化槽の担当課
流れの全体をもう少しくわしく知りたい方は、物件を探す人向けの姉妹サイトの購入の申込みから引渡しまで、何が起きる?も読んでみてください。気になる家が見つかったら、まずは空き家バンクの窓口に、使い道と通い方を伝えるところから始めてみましょう。
許可や手続き、支援の制度は、同じ内容でも自治体によって判断や条件が違うことがあります。物件や計画が決まったら、その市区町村の担当課(建築指導課・都市計画課・保健所・消防署・警察署、移住や創業の支援の窓口など)に、住所や図面を持って直接確かめましょう。
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※この記事は、2026年10月時点の法令や自治体の公開情報をもとに、一般的な内容をまとめたものです。実際の手続きや可否の判断は、物件のある市区町村・保健所・警察署、または行政書士などの専門家に必ずご確認ください。この記事の内容によって生じた損害について、当社は責任を負いかねます。
出典・参考(41件)
空き家バンク(1章)
- 国土交通省 空き家・空き地バンク総合情報ページ(全国版空き家・空き地バンク、2018年4月本格運用、参画自治体一覧)https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000131.html
- 君津市空き家バンクのご案内(2026年4月1日更新、利用登録、交渉申込書、交渉から契約までは担当の宅地建物取引業者、市は交渉・契約に直接関与しない、担当:建築課)https://www.city.kimitsu.lg.jp/soshiki/32/1086.html
- 富津市空家バンク(2026年6月9日更新、利用登録、交渉申込書、2件以上の同時交渉不可、転売等目的は登録不可、令和8年度から空き地も対象、登録・利用は無料・仲介手数料、リフォーム補助金、担当:政策推進課)https://www.city.futtsu.lg.jp/0000005548.html
- 飯能市 空き家を買いたい方・借りたい方(利用者)(2026年4月1日更新、定住又は定期的に滞在する意思、仲介手数料が不要、担当:建築課)https://www.city.hanno.lg.jp/kurashi_seikatsukankyo/akiya_reform/akiyabank/3956.html
- 飯能市空き家バンクQ&A(令和6年4月1日、協力宅建業者の仲介、家財の処分は原則所有者・双方の協議も可)https://www.city.hanno.lg.jp/material/files/group/36/akiyaQA.pdf
- 三浦市 空き家バンク物件情報(2026年8月6日更新、登録物件なし、市は交渉に関与しない、担当:都市計画課)https://www.city.miura.kanagawa.jp/soshiki/toshikeikakuka/5/1/151.html
- 神奈川県 神奈川県内市町村の移住・定住支援(2026年8月14日更新、市町村の空き家バンク・住宅支援の一覧)https://www.pref.kanagawa.jp/docs/y2w/shienjoho.html
申込みから引渡しまで(2章)
- 国土交通省 宅地建物取引業法における建物状況調査に関するQ&A(令和6年4月1日現在、既存住宅状況調査技術者、義務ではない、実施しないリスク、1〜3時間、費用は調査者で異なる・依頼者負担が一般的、購入希望者は売主の承諾が必要、木造戸建ては1年以内)https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001735111.pdf
- 宅地建物取引業法 第35条第1項第12号(ローンのあっせんと不成立時の措置)、第39条(手付は代金の2割まで)、第40条(担保責任の特約の制限、2年)、第78条第2項(業者間取引の適用除外)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176
- 宅地建物取引業法施行規則 第16条の11第2号(申込みの撤回時に預り金の返還を拒むことの禁止)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/332M50004000012
- 民法 第557条(手付)、第562条・第563条(追完請求・代金減額)、第566条(種類・品質の不適合は知った時から1年以内に通知)、第572条(担保責任を負わない特約)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
重要事項説明で見るところ(3章)
- 宅地建物取引業法 第35条第1項(1号登記された権利、3号私道、4号飲用水・電気・ガス・排水、6号の2建物状況調査・書類の保存状況)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176
- 宅地建物取引業法施行規則 第16条の4の3(造成宅地防災区域・土砂災害警戒区域・津波災害警戒区域、水害ハザードマップ、石綿、昭和56年6月1日より前の建物の耐震診断)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/332M50004000012
- 国土交通省 報道発表「不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化」(令和2年8月28日施行)https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000205.html
- 法務省 相続登記の申請義務化について(令和6年4月1日施行、3年以内、それ以前の相続は令和9年3月31日まで)https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
- 不動産登記法 第47条(表題登記がない建物を取得した者は1か月以内に表題登記)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123
- 建築基準法 第41条の2(都市計画区域・準都市計画区域内に限り適用)、第42条(幅4m以上の道路、2項の道は中心線から2m)、第43条(2m以上の接道、2項の認定・許可)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201
- 浄化槽法 第10条(保守点検・清掃)、第11条(毎年1回の水質検査)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000043
- 環境省関係浄化槽法施行規則 第6条(保守点検の回数、分離接触ばっ気方式・嫌気ろ床接触ばっ気方式等の20人以下は4か月ごとに1回以上)、第7条(全ばっ気方式の清掃はおおむね6か月ごと)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/359M50000100017
- 法務省 登記手数料について(令和7年4月1日から、登記事項証明書600円・520円、地図等500円・470円)https://www.moj.go.jp/MINJI/TESURYO/
- 法務省 筆界特定制度(筆界特定登記官がもともとの筆界を明らかにする)https://www.moj.go.jp/MINJI/minji104.html
物件の値段のほかにかかるお金(4章)
- 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(告示全文、令和6年6月21日国土交通省告示第949号、第2・第7)/大阪府掲載 https://www.pref.osaka.lg.jp/o130200/kenshin/kokuji/index.html
- 国土交通省 空き家等に係る媒介報酬規制の見直し(令和6年7月1日施行、800万円以下、30万円の1.1倍、媒介契約の締結に際し説明・合意が必要)https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001749923.pdf
- 国土交通省 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 新旧対照(令和6年7月1日施行、告示第七の「売主である依頼者に限る」との記載を削除、使用の状態は問わない)https://www1.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001750343.pdf
- 国税庁 No.7191 登録免許税の税額表(令和8年4月1日現在、土地1.5%は令和11年3月31日まで、住宅用家屋0.3%・抵当権0.1%は令和9年3月31日まで、市町村等の証明書の添付、課税標準は固定資産課税台帳の価格)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm
- 財務省 登録免許税に関する資料(住宅用家屋の軽減、床面積50㎡以上、中古は昭和57年1月1日以降または耐震基準適合)https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/property/e08.htm
- 国税庁 No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置(令和9年3月31日まで)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7108.htm
- 東京都主税局 不動産取得税(登記の有無にかかわらず課税、価格は固定資産課税台帳の価格、宅地等は2分の1、免税点 令和8年4月1日以降は土地16万円・売買等の家屋34万円、30日以内の申告)https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/real_estate/fudosan
- 神奈川県 不動産取得税(2026年7月15日更新、令和8年4月1日以後の取得は床面積40㎡以上、軽減の控除後の額に免税点を適用、取得から10日以内の申告・登記申請をした場合は不要)https://www.pref.kanagawa.jp/zei/kenzei/a001/b011/index.html
- 埼玉県 県税の申告と納期(不動産取得税は取得した日から30日以内)https://www.pref.saitama.lg.jp/a0209/z-kurashiindex/z-shinkoku_nouki.html
- 埼玉県 住宅又は住宅用土地を取得したときの不動産取得税の軽減制度について(2026年8月26日掲載、中古住宅の床面積要件、附属家の床面積の合算)https://www.pref.saitama.lg.jp/a0209/z-kurashiindex/z-2-9b.html
- 千葉県 不動産取得税(2026年4月21日更新、税率、宅地評価土地は2分の1、課税標準額による免税点、60日以内の申告・登記申請をした場合は不要)https://www.pref.chiba.lg.jp/zeimu/aramashi/shurui/fudousan.html
- 千葉県 不動産取得税の軽減について(2026年7月2日更新、中古住宅の要件・控除額、令和8年4月1日以降は40㎡以上、土地の軽減は軽減要件を満たす住宅の敷地)https://www.pref.chiba.lg.jp/zeimu/aramashi/shurui/hudousan-keigen.html
- 地方税法 第73条の14第3項(自己の居住の用に供する耐震基準適合既存住宅の控除)、第73条の15の2(不動産取得税の免税点 土地16万円・売買等の家屋34万円)、第359条(固定資産税の賦課期日1月1日)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
- 地方税法施行令 第37条の18(中古住宅の床面積40㎡以上240㎡以下、昭和57年1月1日以後の新築または耐震基準の証明)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000245
支払い方と、買った後の手続き(5章)
- 住宅金融支援機構 フラット35 ご利用条件(2026年4月1日現在、一戸建て50㎡以上、併用住宅は住宅部分が非住宅部分以上、非住宅部分は借入対象外、目的外利用は一括返済)https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions/index.html
- 住宅金融支援機構 セカンドハウスのお申込みについて(住宅ローン控除は使えない、取り扱わない金融機関あり)https://www.flat35.com/loan/lineup/second/index.html
- 富津市空家バンク(リフォーム補助金 2分の1以内・上限50万円、着工前の申請)https://www.city.futtsu.lg.jp/0000005548.html
- 三浦市住宅リフォーム助成事業のご案内(2026年10月26日更新、市内在住で住民登録・自ら居住、交付決定前の着工は対象外、一律8万円)https://www.city.miura.kanagawa.jp/soshiki/zaisankanrika/zaisankanrika/rifomu/160.html
- 浄化槽法 第10条の2第3項(浄化槽管理者の変更は30日以内に報告書)、第5条(都道府県知事は保健所を設置する市・特別区では市長・区長)/e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000043
- 国土交通省 「空家法」と「2023改正空家法」(2023年12月13日施行、勧告を受けた管理不全空家等の敷地は住宅用地特例が解除)https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001753652.pdf
